不動産相続における配偶者居住権とは?要件や注意点を解説

2025-03-25

不動産相続における配偶者居住権とは?要件や注意点を解説

この記事のハイライト
●配偶者居住権とは亡くなった方が所有していた家に配偶者が住み続けることができる権利
●相続開始時点で亡くなった方が所有していた家に住んでいることや法律上の夫婦であることなどが適用要件
●相続税がかかることや売却・譲渡が難しくなることなどが注意点

夫もしくは妻が亡くなった場合、遺された配偶者は老後の住まいや生活資金を確保しなければなりません。
家やお金を失うことになれば、生活に支障が出てしまうでしょう。
そのようなときに活用したいのが、配偶者居住権というものです。
今回は配偶者居住権とはなにか、適用要件や注意点を解説します。
埼玉県川越市・富士見市、ふじみ野市を中心に、東武東上線沿線エリアで不動産相続を控えている方は、ぜひ参考になさってください。

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不動産相続における配偶者居住権とは?

不動産相続における配偶者居住権とは?

まずは、不動産相続における配偶者居住権とは、どのようなものなのかについて解説します。

配偶者居住権とは?

配偶者居住権とは、亡くなった方が所有していた不動産に、配偶者が住み続けることができる権利です。
配偶者が亡くなるまで、または一定の期間、無償でその家に暮らすことができます。
この制度は、建物の資産価値を所有と居住権にわけて考えるのが特徴です。
夫婦の一方が建物の所有権を持っていなかったとしても、居住権を取得することができます。
たとえば、夫と妻、長女の3人家族で、家の所有者は夫1人のケースで考えてみましょう。
もし夫が亡くなった場合、妻は家の配偶者居住権によって、その家の引き続き住むことができます。
長女は不動産相続にともない、家の所有権を取得するということです。

誕生した背景とは?

配偶者居住権とは、2020年4月に施行された、まだ新しい制度です。
2019年1月から改正相続法が、約40年ぶりに大幅に改正されており、そのなかの一つが配偶者居住権となります。
改正前の法律では、亡くなった方が所有していた家に同居していた配偶者は、その家の所有権を得ることによって住み続けることが可能でした。
しかし、土地や建物は資産価値が高い財産がゆえに、評価額も高額となってしまいます。
配偶者が不動産相続をしてしまうと、預貯金や現金といったほかの財産を取得しにくくなってしまうのがデメリットです。
もし現金が少なければ、相続税の支払いや、生活費を工面することが難しくなってしまいます。
やむを得ず家を手放すケースが増え、住まいに困ってしまう方も多くいました。
このような現状を変えるため、所有権より資産価値が低く見積もられる、居住権を取得する法律が誕生したのです。
この制度を利用することによって、将来の住まいを確保しつつ、生活費も十分に得られるようになっています。

用いるメリット

用いるメリットとして、下記が挙げられます。

  • 居住権を第三者に対抗できるため、住まいを安定的に確保できる
  • バランス良く財産を取得できる
  • 家賃を支払う必要がない

メリットとしてまず挙げられるのが、居住権を第三者に対抗できるため、住まいを安定的に確保できることです。
配偶者居住権は登記が必要で、建物の使用借権より強い効力があります。
遺された配偶者は、安定的に住まいを確保することが可能です。
また、先述のとおり、不動産相続をおこなったがゆえに、預貯金や現金などを取得できないケースがあります。
家を相続してしまうと、ほかの財産はほかの方に渡すことになり、生活費が不足してしまうというケースも珍しくありません。
家に住める権利とともに、生活費を確保できるのは、大きなメリットとなるでしょう。
さらに、無償で住むことが認められいる権利なので、家賃の支払いが不要になることもメリットです。

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不動産相続における配偶者居住権の適用要件

不動産相続における配偶者居住権の適用要件

続いて、不動産相続における、配偶者居住権の適用要件について解説します。

適用要件1:相続開始時点で亡くなった方が所有していた家に住んでいること

適用要件としてまず挙げられるのが、相続開始時点で、亡くなった方が所有していた家に住んでいることです。
相続開始時点とは、夫婦のどちらか一方が亡くなった日を指します。
もし亡くなったタイミングで別の場所に住んでいる場合、適用できなくなるので注意が必要です。
将来的にこの制度を利用して、家に住み続けたい場合は、引っ越しをしてそこで生活しておかなければなりません。
また、亡くなった方が賃貸物件に住んでいる場合も適用外です。
亡くなった方が所有している家、つまりマイホームであることが要件となります。

適用要件2:法律上の夫婦であること

法律上の夫婦であることも、適用要件の一つです。
家に住み続ける権利を得られるのは、婚姻関係にある夫婦に限定されます。
そのため、内縁関係や籍を入れずに同居しているだけといったケースでは、用いることができません。
子どもや親など、配偶者以外に権利を設定することもできないので、注意が必要です。
また、不動産相続の際、亡くなった方が配偶者以外の方と土地や建物を共有していた場合、要件から外れてしまいます。

取得方法と手続き

不動産相続における、配偶者居住権の取得方法は下記のとおりです。

  • 遺産分割協議
  • 遺言書
  • 家庭裁判所の審判

遺産分割協議とは、財産の取得方法や割合について、当事者全員で話し合うことです。
不動産相続に関わる、相続人全員で話し合う必要があり、誰か1人でも欠けた状態で協議がまとまっても白紙になってしまいます。
話し合った内容は、遺産分割協議書という書面に残し、全員の署名と実印での押印が必要です。
もし話し合いが難航する場合は、家庭裁判所に申し立てをおこない、審判で決めることになるでしょう。
遺言書に権利の設定について記載がある場合、一般的にはその内容が優先されることになります。

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不動産相続で配偶者居住権を用いる際の注意点

不動産相続で配偶者居住権を用いる際の注意点

最後に、不動産相続で配偶者居住権を用いる際の、注意点について解説します。

注意点1:相続税がかかる

注意点としてまず挙げられるのが、相続税がかかることです。
配偶者が一生住み続けられるという強力な権利のため、一定の資産価値を持っています。
そのため、不動産相続時に税金の支払いが必要です。
家の所有権を取得した方に対する相続税は、建物の資産価値から、配偶者居住権の資産価値をマイナスした金額に対して課税されることになります。

注意点2:売却や譲渡が難しくなる

売却や譲渡が難しくなることも、注意点の一つです。
配偶者が住み続けている限り、第三者に売ったり賃貸物件として貸し出したりすることが難しくなります。
そのため、不動産売却がしにくくなることがデメリットです。
住んでいる配偶者が亡くなるまで消失しない権利なので、いつ売却や譲渡ができるかわからないことも注意点となります。

注意点3:再婚している場合は権利を誰に渡すかで揉めてしまうことがある

再婚後、以前の配偶者との子どもと再婚相手が養子縁組をしていない場合、誰に権利を渡すかで揉めてしまう可能性があります。
再婚相手に居住権を与え、所有権を子どもに渡すことも可能ですが、両者の関係性が悪いとトラブルに発展する恐れがあるでしょう。
権利の利用に支障が出ることもあるので、再婚している場合は注意が必要です。

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まとめ

配偶者居住権とは、亡くなった方が所有していた家に、配偶者が無償で住み続けることができる権利です。
相続開始時点で亡くなった方が所有していた家に住んでいることや、法律上の夫婦(内縁関係や同居しているだけの場合などは除く)であることなどが、適用要件となります。
相続税がかかったり、売却・譲渡が難しくなったりするため、不動産相続時は注意が必要です。
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